先月のもじ勉の縁で、2012年7月19日(木)に京都の
中西印刷様へ見学に伺いました。
文字好きの間で中西印刷といえば、「世界の新聞コレクションと西夏文字の母型」と即答出来るほどメジャーな存在。残念ながら、世界の新聞コレクションは現在中西印刷様所蔵ではなく、実物は観られませんでした(それらは1994年に国立民族博物館(民博)に寄贈され整理され「
中西コレクションデータベース -世界の文字資料-」としてWEB上で公開されています)。
というわけで、見学の模様をご覧あれ。
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植字台 |
資料室に入ってすぐにあるのがこの植字台。その横にはゲラ箱など(古いものは明治時代!)が積まれていました(写真がピンぼけで見れたものではないのでアップしません。トホホ)。例によってここでも組版には「さわるな」の紙片が。ここでまめ知識をひとつ。
組版は持ち上げてはいけません。活字や込物が抜け落ち、最悪組版が崩壊します。ゲラに組版をスライド移動して載せて運ぶように。
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手回し式活字鋳造機 |
今回初見の手回し式活字鋳造機。ピンぼけ御免。
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ビルマ文字の活字 |
ビルマ文字はインド系文字の一種で、a以外の母音を表す時に符号が付きますが、写真の文字はñaの文字に符号が付いているらしいことは調べてわかりましたが、それ以上は不慣れなため良く分かりませんでした。ははは。
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罫丸め機 |
罫に丸みをつけるための道具ということです。これも初見です。
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活版カート |
組版を載せたゲラを一度に大量に運ぶためのカート。社内で自作されたとのこと。昔の職人さんは必要とあらば道具を自作してしまうほどバイタリティがありました。見習いたいものです。
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1928年製Heidelberg Tiegel |
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当時の輸入代理店とおぼしきプレート |
目玉の1928年製Heidelberg Tiegel!!!流石に使い込まれていますが、これが勧業博覧会で購入し輸入された3台の内の1台と伝えられています。実はこれ、若かりし日の
岸部四郎氏が稼動させていた、という代物でもあります。
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西夏文字母型 |
さて遂にお目見えした西夏文字母型!!!意外に文字サイズが小さいので母型自身からでは字形が良く分かりませんが、世界唯一の西夏文字母型です。文字好きは現在読んでいるであろう漫画「
シュトヘル」でお馴染みですね。西夏文字を研究・解読した京都大学の西田龍雄博士の依頼で作成されたものということで、この母型の貴重さは他に類を見ないほど。
ここで別室に移動。
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Monotype機 |
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Monotype機のパンチカード |
Monotype機も初見ですが、余り良く分かっていないですw
他にもかなり古いものが眠っているようで(明治33年と書かれた大きな箱などもありました。なにせ創業145年ですので)、整備されることを期待しつつ、名残惜しくも中西印刷様を後にしました。
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電算写植機のモニター? |
このようなものも色々保管されていました。
❖参考書籍(文字関連のみ)