19世紀前半までの主流、ネジ(Screw)留めタイプでRailに穴があるタイプ。通常Common Screw Stickと呼ばれる。 |
時代が下ると、アメリカ製は年が下るほどRailに穴が開きレバー(Clamp)でKneeを固定させるタイプが主流になるが、イギリス・ドイツ製はレバー(Clamp)でKneeを固定させるタイプでRailに穴は無いのをよく見かける。日本製はネジ(Screw)留めタイプでRailに穴が無いのをよく見かける。
アメリカ製代表、H. B. Rouse Job Stick。Railに穴が開きレバー(Clamp)でKneeを固定。 |
左)ドイツ製Bacher Composing Stick。右)イギリス製Cefmor London Ec Composing Stick。共にRailに穴は無くレバー(Clamp)でKneeを固定。 |
日本製(製造元不明)。ネジ(Screw)留めタイプでRailに穴が無い。 |
組版ステッキの部位名図 |
組版ステッキのバリエーションは、上記のように、Kneeの形状と固定方法によるところが大きい。ネジ留め式とレバー式が2大主流だが、特にアメリカでは変わり種と云ってもいい形式や機構が複雑なものが出現している。
アメリカ(製造元不明)。一見主流のレバー式だが、RailはKneeが噛むための溝を隠すように2重になっている。 |
(恐らく)アメリカMaster社製Quick-set Stick。Kneeをバネ式のボタンで固定する方法のもの。Railには穴が2重に開いている。 |
アメリカStar社製The Star Composing Stick。Kneeはスライド式のレバーで固定、裏側にはKneeが噛むための溝がある。 |
アメリカH. B. Rouse Micrometer Stick。Kneeの位置を何分の一ポイント単位で調整可能な機構が付いたタイプ。 必ずKneeの固定を外してから動かす(出ないと壊れる)。 |
そして、今回念願かなってやっと入手できたH. B. Rouse Quarter Point Stick!
分度器みたいな機構。真ん中の針状のものを指で軽くほんのちょっと持ち上げて動かす。 |
なかなか出回らない代物で、出ても真ん中の針状のものが壊れているものが多い。目盛りの1〜12はポイント。最大12ポイント分Kneeの位置を調整可能で、1つの歯が、名前の通り1/4ポイント分になっている。
組版ステッキの資料がなかなか無いので苦労しているが、以下にリンクを。
- H. B. Rouse and Company. Time-Saving Equipment for Printers [Catalog] and Price List (September 16, 1946). Internet Archive—Rouse社の1946年の製品カタログ。
- Speckter, Martin K. Disquisition on the Composing Stick. The Typophiles. 1971—組版ステッキの解説本。
- Williams, Fred. Composing Sticks. 1987—組版ステッキの全体的な概説。
他の所有ステッキの写真はFlickrにて。