Punch Cutting Machine
(United States Patent and Trademark Officeより) |
特許出願日時:1884年2月29日
登録日時:1885年10月6日
特許番号:327,855
事務的な誤りまたは書き誤り(clerical error)により一度取消。
再登録日時:1885年12月22日
特許番号:332,990
名前の通り、この時の彫刻機は父型を彫る機械だったことに注意。
この時の所属会社はBenton, Waldo & Co.。(→詳しい解説:リン・ボイド・ベントンと所属先)
詳細は、以下の特許情報をどうぞ。
この後改良されて、
Matrix and Punch Cutting Machine
(United States Patent and Trademark Officeより) |
特許出願日時:1899年2月17日
登録日時:1906年1月9日
特許番号:809,548
直接母型も彫れるようになる。
この時の所属会社はAmerican Type Founders (ATF)。(→詳しい解説:リン・ボイド・ベントンと所属先)
詳細は、以下の特許情報をどうぞ。
おわりに
ベントン彫刻機の資料に当たると、日本語文献ではちょっと誤解を生みそうな箇所が散見されるので以下に補足してみる。考案日時について
1884年と1885年とがあるが、特許を取ったものは実は3代目で、この3代目を特許出願したのが1884年、登録が1885年なので、考案自体は1884年以前となる。まだ手元の資料を精読していないので、今のところはここまでしか知り得ていないので悪しからず。何を彫る機械か
1885年に特許登録された彫刻機は父型を彫るためのもので決して母型を彫るためのものではなかった。母型も彫れる彫刻機は1906年に特許登録された彫刻機の方。ベントン本人の所属先
1892年に米国内23の活字鋳造所が合同してAmerican Type Founders (ATF)が設立し、そのうちの1社がベントンが共同経営していたBenton, Waldo & Co.であった。故に1885年当時はBenton, Waldo & Co.に所属していたのであって、ATF社所属ではない。詳しい解説は拙ブログ:リン・ボイド・ベントンと所属先をどうぞ。参考文献
- Cost, Patricia A. The Bentons. RIT Cary Graphic Arts Press, 2011
- ベントン彫刻機についての覚え書き: tonan's blog—こちらにも資料がまとまっています。
- 活字の小箱:リン・ボイド・ベントンと所属先
- Patent US332990 - Machine - Google Patents—上記特許情報がGoogleでも調べられ且つテキストデータにもなっている。